ラリー・ウィリアムズの資金管理法とは?特徴を徹底解説
資金管理とは、トレード資金を管理すること、つまりトレードにおける「お金の管理」です。
長期的にトレードを続けていくためには、資金管理をしてリスクを限定することが不可欠なのです。
トレードに役立つ資金管理方法はさまざまありますが、ラリー・ウィリアムズの資金管理法はその中の1つなのです。
「ラリー・ウィリアムズの資金管理法の特徴は?」
「ラリー・ウィリアムズの資金管理法は現在でも使えるのか?」
ラリー・ウィリアムズの資金管理法と聞くと、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ラリー・ウィリアムズの資金管理法について以下の4つの項目で詳しく解説していきます。
- ラリー・ウィリアムズとは?
- ラリー・ウィリアムズの資金管理法とは?
- ラリー・ウィリアムズの資金管理法から学べること
- ラリー・ウィリアムズの資金管理法を実践する際の注意点
初心者がすぐにトレードで実践できる資金管理方法も紹介しているので、是非参考にしてみてください。
ラリー・ウィリアムズとは?
ラリー・ウィリアムズは、現在でも世界中の多くの人に名が知られているカリスマトレーダーです。
彼は、1987年に開催されたリアルマネーを使ったトレードコンテスト「ロビンスカップ」にて1万ドルの口座を1年間で約113万ドル、利益率10,000%以上を記録しました。
ラリー・ウィリアムズがトレードコンテストで脅威のパフォーマンスを挙げたことで、投資手法が注目され始めました。現在では、「ラリー・ウィリアムズの短期売買法 」という書籍も販売されています。
ラリー・ウィリアムズの短期売買法とは?
ラリー・ウィリアムズは短期売買を得意としていました。さまざまな短期売買法の中でも「ウップス」がよく知られています。
ウップスでは、相場の寄り付き後、前日の相場価格から反転する場所を狙います。
具体的には、前日安値より安い価格で寄り付き、前日の安値を上抜けたら買いポジションを保有し、売りの場合は、前日の高値を基準に同様に売りポジションを保有します。
またラリー・ウィリアムズが開発したテクニカル指標である、「%R」というオシレーター系インジケーターも多くのトレーダーに利用されています。
%Rでは、ある期間の高値と安値を基準として、直近の終値が相対的にどの水準にあるかが確認できます。
ラリー・ウィリアムズの資金管理法とは?
ラリー・ウィリアムズの投資法は書籍にもなっているほど、売買手法に注目されがちですが、彼の驚異的なパフォーマンスの要因は資金管理法にあります。
ラリー・ウィリアムズは以下のような名言を残していることからも、資金管理を重要視していたことが分かります。
「市場のトレードや方向性も重要だが、最も重要なのは自分の資金管理する方法である」
つまり、優秀な売買手法に、最適な資金管理法を組み合わせることで、ラリー・ウィリアムズは最大限の利益を獲得できたのです。
ラリー・ウィリアムズが実践した資金管理方法の特徴は以下の3つです。
- 最適なポジションサイズを設定する
- ポジションサイズを取引結果に応じて変える
- 損失を前もって決めておく
それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
特徴1:最適なポジションサイズを設定する
ラリー・ウィリアムズは、ポジションサイズについて以下のような名言も残しています。
感情的な問題を引き起こす原因は、建玉の建てすぎにあります。資金の投入しすぎると、どうしてもトレードをやりすぎ、感情的がおかしくなってしまいます。
つまりマネーマネジメントは感情のマネジメントなのです。感情的なゆれが大きくなるのは、投入した自分のお金の額が大きくなりすぎるからです。
ラリー・ウィリアムズは、資金管理をしっかりして感情をマネジメントすることで、安定したトレードができると主張しているのです。
他の世界的に有名なトレーダー達も資金管理に役立つ名言を残しているので、以下の記事も参考にしてみてください。
特徴2:ポジションサイズを取引結果に応じて変える
ラリー・ウィリアムズは、ポジションのサイズを固定するのではなく、取引結果に応じて変えることを重要視しています。
ラリー・ウィリアムズの資金管理法では、勝っている時はポジションサイズを増やし、負けている時は減らします。
また優れたトレーダーはポジションサイズを減らす速度、つまり損切りの判断が速いとも主張しています。
特徴3:損失を前もって決めておく
ラリー・ウィリアムズは以下のような名言を残しているほど、ラリー・ウィリアムズの資金管理法では、損失を前もって決めておくのが重要とされています。
有能なトレーダーにとって重要なのはチャートにおける支持・抵抗水準ではなく、その日の高値や安値でもない。
受け入れる苦痛の程度なのである。自分がどれだけの苦痛を受け入れるか前もって決めておくことが大切
トレードの際、支持や抵抗線、高値や安値などテクニカル面に注目しがちですが、本当に大切なのは損切りを設定して、前もってリスクを受ける覚悟をしておくことなのです。
≫テクニカル分析は後付け理論で意味がないのか?理由や活用方法を徹底解説
ラリー・ウィリアムズの資金管理法から学べること
ラリー・ウィリアムズの資金管理法では、まずリスクを限定して防御力を高めることを重視しています。
リスクを限定した上で、トレード結果や調子に合わせてリスクを調整することで、最大限利益を高められるのです。
ラリー・ウィリアムズの資金管理を学んだ上で、実践できる資金管理方法として以下の3つがあります。
- 1トレードの損失額はトレード資金の2%
- ポジションのサイズを事前に計算する
- 取引結果に応じたポジションの調整方法
それぞれについて詳しく解説していきます。
その1:トレードの損失額はトレード資金の2%
ラリー・ウィリアムズの資金管理法では、損失を前もって決めておくことが重要であるとされています。
1トレードの損失額を設定する際は、トレード資金の一定割合をリスクとすることがオススメです。
トレードの世界では、「2%ルール」というルールがあり、1度の損失額はトレード資金の2%が目安だといわれています。
1トレードの損失額が口座資金の2%だと繰り返し何度もトレードが行えるため、継続的に試行回数を重ねられ、かつメンタルを安定してトレードができるようになるのです。
2%ルールについては、以下の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
≫資金管理の2%ルールとは?利用するメリットや実践方法を解説!
その2:ポジションのサイズを事前に計算する
1トレードの損失額をトレード資金全体の割合から計算したら、適切なポジションサイズを事前に計算できるようになります。
ポジションサイズの計算方法は以下の通りです。
ポジションサイズ = 1トレードの損失額 ÷ 損切り位置までの値幅
例えば1トレードの損失額が1万円、損切り位置までの値幅が50pipsでドル円をトレードするとします。
すると10,000を50pips(0.5円)で割った20,000ドル分までのポジションが保有できると計算できます。
その3:パーレー法でポジションを調整する
ラリー・ウィリアムズの資金管理法では取引結果に応じてポジション数量を変えることが利益を残すために重要であるとされています。
利益を残すためのポジション数量の変更方法として、パーレー法が有効です。
パーレー法とは、マーチンゲール法の逆の仕組みを取り入れた資金管理方法です。
マーチンゲール法は、損切りを繰り返す度に取引量を倍に増やしていくのに対して、パーレー法では、利益確定を繰り返すたびに取引量を倍に増やしていきます。
何回連勝したら取引を終了するかなどの引き際が大切ですが、勝ち続ける度に取引量を倍にしていくため、うまくいけば大きな利益を残すことができます。
ラリー・ウィリアムズの資金管理法を実践する際の注意点
ラリー・ウィリアムズの資金管理を学んだ上で、実践できる資金管理方法を紹介しました。最後に資金管理法を実践する上での、以下の3つの注意点について詳しく解説します。
- 決めた資金管理ルールを守る
- リスクリワードレシオを意識する
- メンタルを安定してトレードをする
注意点1:資金管理ルールを守る
ラリー・ウィリアムズの資金管理法では、トレードを始める前に損切り額を設定します。一度設定した資金管理ルールは必ず守るようにしましょう。
価格が損切り位置近くまで変動したからといって、損切り位置を下げたり、注文を取り消したりしてはいけないのです。
またリスクの許容度や適切な資金管理方法は各々異なります。したがって何度もトレードを繰り返して、自分にあった資金管理法の設定を探してみることがオススメです。
≫デイトレードは特に資金管理が重要!デイトレードで活用できる資金管理方法を紹介!
注意点2:リスクリワードレシオを意識する
ラリー・ウィリアムズの資金管理法では、損切り位置を設定して防御力を高めることを重要視していますが、リスクリワードレシオを意識することも重要です。
長期的に勝ち続けるためにはトレードで勝つためには、リスクを最小限に限定して、利益を最大限まで伸ばし、リスクリワードレシオを最大限高める必要があるのです。
損切りを先延ばしにすることは、リスクリワードを低くする可能性を高めてしまうため、損切りは設定通りに行うようにしましょう。
≫トレードにおけるリスクリワードの重要性|計算方法や理想の値
注意点3:メンタルを安定してトレードをする
トレードを長期的に続けていくためには、メンタルを安定させて資金管理をしっかりと行うことが重要です。
資金管理はメンタルを安定させるために役立ちますが、メンタルが安定していない状態では、冷静な判断ができずうまく資金管理法を使いこなすことができないのです。
資金管理法の効果を最大限発揮するためにも、トレードを行う際には、常にメンタルを安定させることを意識するようにしましょう。
トレードを行う前にしっかりと準備をし、過去のトレードの失敗を分析して対策を立てることがメンタルの安定を保つのに有効です。
またトレードで負けが続いた場合は、適度に休憩を挟み、一度時間を空けるようにしましょう。
≫トレードにおけるメンタルコントロールの重要性やメンタル管理法を解説
まとめ
ラリー・ウィリアムズの資金管理法について、資金管理方法の特徴から実践のトレードで使える資金管理法、資金管理を実践する際の注意点まで詳しく解説しました。
ラリー・ウィリアムズは、優秀な売買手法だけでなく、資金管理方法を確立することも重要視していました。
多くのトレーダーは売買手法を確立することを重要視しがちですが、売買手法を最大限活かすためにも資金管理方法を確立することも意識するようにしましょう。
2%ルールやパーレー法などトレード初心者でも実践しやすい資金管理法を紹介したので、トレードに取り込んでみることがオススメです。