ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせるメリットとは?4つの取引手法を紹介

ボリンジャーバンドは、逆張り・順張り問わず利用できるトレンド系インジケーターであり、初心者から上級者まで多くのトレーダーに利用されています。

また相場の過熱感が確認できるオシレーターとして「RSI」というインジケーターも多くのトレーダーに利用されています。

実は、ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせるとトレードの幅をより広げることができるのです。

「ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせるメリットとは」

「ボリンジャーバンドとRSIをどのように組み合わせればよいのか」

ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせると聞くと、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

結論、ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせると、逆張り取引やトレンド転換サインの確認精度を高められるのです。

この記事では、ボリンジャーバンドとRSIの組み合わせについて、概要から、メリット、具体的な取引手法に至るまで以下の7つの項目で詳しく解説していきます。

  • ボリンジャーバンドとは
  • RSIとは
  • RSIの基本的な使い方
  • ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせる2つのメリット
  • ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせた4つの取引手法
  • RSIを利用する際の注意点
  • まとめ

ボリンジャーバンドとは

ボリンジャーバンドとは、投資家「ジョン・ボリンジャー」によって開発されたインジケーターです。

ボリンジャーバンドはトレンド系インジケーターに分類されますが、逆張り・順張り問わず使われます。

また「センターバンド(移動平均線)」と、移動平均線からの価格のばらつき具合を表す「6種類のσライン」で構成されるのが特徴です。

センターバンドではトレンドの方向性、σラインでは相場のボラティリティが確認できます。

ボリンジャーバンドついては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

ボリンジャーバンドとは?見方やテクニカル分析での使い方を解説!

RSIとは

RSI(Relative Strength Index)とは、「買われすぎ」「売られすぎ」のような相場の過熱感が確認できるオシレーター系インジケーターです。

日本語では「相対力指数」とも呼ばれているように、RSIは一定期間においてどれだけ価格が上昇したかを、過去の値動きと比較することで相対的な値を算出します。

一般的に14日間における値がRSIの数値として利用されます。

MACDやストキャスティクスなどと違い、RSIは一本の折れ線グラフで表示されるので、初心者でも簡単に使いやすいのが特徴です。

RSIの基本的な使い方

RSIの基本的な使い方として以下の2つを解説します。

  • 買われすぎ・売られ過ぎの水準を確認する
  • ダイバージェンス

その1:買われすぎ・売られ過ぎの水準を確認する

RSIでは、一般的に14日間における上昇や下落の割合が算出された結果が、0~100の相対的な数値でグラフ化されます。

一般的に「30」以下は売られすぎ、「70」以上は買われ過ぎの水準です。

このような買われすぎ・売られ過ぎの水準は、逆張り取引やポジションの決済に利用されます。

売られすぎの水準として「20」、買われ過ぎの水準として「80」とより極端な数値を採用してもよいですが、トレードシグナルが少なくなることは覚えておきましょう。

その2:ダイバージェンス

ダイバージェンスとは、オシレーターの動きと為替レートの動きが逆行する現象です。

つまり相場価格が上昇しているが、RSIが下落しているような状況がダイバージェンスと呼ばれ、ダイバージェンスはトレンド転換を表すサインとなります。

RSIの買われすぎ・売られ過ぎの水準だけでも逆張り取引で機能しますが、ダイバージェンスを組み合わせてトレンド転換を把握できると、より逆張り取引の精度を高められます。

RSIは一本のラインで表示されるので、他のオシレーターと比べてダイバージェンスの発生を確認しやすいのも特徴です。

テクニカル分析で活用されるオシレーターとは?具体的な活用方法や注意点を解説!

ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせる2つのメリット

ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせるメリットとして、以下の2つが挙げられます。

  • 逆張り取引の精度が高まる
  • トレンド転換サインが明確になる

その1:逆張り取引の精度が高まる

1つ目は、逆張り取引の精度を高められる点です。

σラインに相場価格が収まる確率を使った逆張り取引が、ボリンジャーバンドを使った最もベーシックな取引手法として知られています。

確かにボリンジャーバンドのσラインは逆張り取引で機能するのですが、相場状況によっては突然発生したトレンドに巻き込まれることがあります。

そこでRSIの買われすぎ・売られ過ぎのサインを確認できると、逆張り取引が成功する確率を高められるのです。

その2:トレンド転換サインが明確になる

2つ目は、逆張り取引の精度を高められる点です。

ボリンジャーバンドにはトレンド転換のサインとして、最大限σラインが拡大している「ボージ」という形があります。

ただしボージをリアルで見極めるのは判断するのは難しく、後から初めて分かる場面も多いのです。

そこでRSIの買われすぎ・売られ過ぎのサインやダイバージェンスを同時に見ることで、ボージ発生、つまりトレンド転換のタイミングが明確に分かるのです。

トレンド転換のサインは、順張り取引のポジション決済に役立てられます。

ボリンジャーバンドのボージについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

ボリンジャーバンドのボージとは?見極め方やトレードでの活用方法を解説!

ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせた4つの取引手法

それでは、実際にボリンジャーバンドとRSIを組み合わせた取引手法として、以下の4つを紹介していきます。

  • RSIとボリンジャーバンドを組み合わせた逆張り取引
  • ダイバージェンスとボリンジャーバンドを組み合わせた逆張り取引
  • RSIとボリンジャーバンドを組み合わせた順張り取引
  • RSIの逆張りサインをポジション決済に利用する

その1:RSIとボリンジャーバンドを組み合わせた逆張り取引

1つ目は、RSIとボリンジャーバンドの±2σラインを使った逆張り取引です。

まずはボリンジャーバンドで、以下のような逆張り取引のサインが発生しているか確認します。

  • 買いの場合:-2σラインに相場価格がタッチまたは下回る
  • 売りの場合:2σラインに相場価格がタッチまたは上回る

そしてRSIを見て、以下のような買われすぎ、売られ過ぎのサインが発生しているかも確認します。

  • 買いの場合:30%ラインを下回っている
  • 売りの場合:70%ラインを下回っている

ボリンジャーバンドとRSIの取引条件を両方満たしたら、逆張りエントリーをします。

エントリー時、エントリー基準とした逆側の2σラインが縮まっているか、つまりボージが発生しているか確認するとより逆張りの精度を高められます。

ポジション決済は、センターバンドにタッチ、損切りは逆張りエントリーの根拠が崩れたタイミングです。

その2:ダイバージェンスとボリンジャーバンドを組み合わせた逆張り取引

2つ目は、トレンド転換のサインであるRSIのダイバージェンスと、ボリンジャーバンドの±2σラインを使った逆張り取引です。

まずは先ほど紹介した逆張り取引と同様に、ボリンジャーバンドで以下のような逆張り取引のサインが発生しているか確認します。

  • 買いの場合:-2σラインに相場価格がタッチまたは下回る
  • 売りの場合:2σラインに相場価格がタッチまたは上回る

ボリンジャーバンドの逆張りサインを確認できたら、ダイバージェンスが発生しているかどうかを確認します。

買いの場合は、相場価格が下落しているのに対して、RSIは下落しているのかどうか見てみましょう。

ポジション決済はセンターバンドタッチ、損切りは±2σラインを上回る(下回る)タイミングです。

ボリンジャーバンドを利用した逆張り手法ついては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

ボリンジャーバンドを使った逆張り手法を紹介!逆張りが使える状況も解説!

その3:RSIとボリンジャーバンドを組み合わせた順張り取引

3つ目は、RSIとボリンジャーバンドを組み合わせた順張り取引です。

まずはボリンジャーバンドで、以下のような順張り取引のサインが発生しているか確認します。

  • 買いの場合:相場価格が移動平均線より上にあり、1σラインを上回っている
  • 売りの場合:相場価格が移動平均線より下にあり、-1σラインを下回っている

順張り取引では、RSIの50%ラインをトレンド発生の基準とします。50%ラインを基準としたRSIにおける以下のサインも確認しましょう。

  • 買いの場合:RSIが50%ラインを上抜ける
  • 売りの場合:RSIが50%ラインを下抜ける

RSIとボリンジャーバンドの両方で売買サインが確認できたら、順張りエントリーをします。

ポジション決済は、±2σまたは±3σラインタッチ、損切りは相場価格が移動平均線または±1σラインを下回る(上回る)またはタイミングです。

ただしボリンジャーバンドでバンドウォークが発生したり、RSIが上限・下限に張り付くほど強いトレンドが発生した場合、長期間ポジションを保有できます。

その4:RSIの逆張りサインをポジション決済に利用する

4つ目は、RSIの買われすぎ・売られ過ぎのような逆張りサインをポジション決済に利用します。

まずはボリンジャーバンドで、順張りエントリーをします。

エントリーには、先ほど紹介した±1σラインを利用したり、トレンドの発生を表す「エクスパンション」を利用したりしてください。

エントリー後、買いの場合はRSIが30%ラインを下回った、売りの場合はRSIが70%ラインを上回ったタイミングで決済をします。

ボリンジャーバンドの順張り手法ついては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

ボリンジャーバンドの順張り手法を2つ紹介!順張りに向いている理由も解説

RSIを利用する際の注意点

RSIのようなオシレーター系インジケーターは強いトレンドが発生すると、上限・下限に張り付いてしまうことがあるので注意しましょう。

RSIの30%ラインや70%ラインは、逆張りで適しているのですが、トレンド相場では30%ライン以下または70%ライン以上に張り付いてしまうことがあるのです。

特にRSIを逆張りに利用する際は要注意です。

RSIが張り付き続けた場合は、ボリンジャーバンドのトレードシグナルを重視するか、逆張りエントリーを見送るようにしましょう。

エントリー後に張り付いた場合は、すぐに損切りや決済を行ってください。

まとめ

ボリンジャーバンドとRSIについて、基本的な使い方から、トレードにおいて組み合わせるメリットや具体的な取引手法に至るまで詳しく解説しました。

ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせると、逆張り取引やトレンド転換サインの確認精度を高められます。

またRSIは逆張りに適したインジケーターなので、ボリンジャーバンドのσラインと組み合わせた逆張り取引に利用するのがオーソドックスな取引手法です。

ただし強いトレンドが発生すると、RSIが上限・下限に張り付いてしまうことがあることには注意しなければなりません。

逆張りはリスクもあるので、トレード初心者の方はまずボリンジャーバンドの順張り取引でRSIを組み合わせるのがオススメです。

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