ボリンジャーバンドを使った逆張り手法を紹介!逆張りが使える状況も解説!
ボリンジャーバンドは、逆張り・順張り問わず使えるインジケーターであり、様々な使い方の中でも±2σ、±3σバンドを利用した逆張り手法が多くのトレーダーに知られています。
「いつでもボリンジャーバンドを使って逆張りができるのか」
「逆張りをする際の注意点はないのか」
ボリンジャーバンドの逆張り手法と聞くと、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論、ボリンジャーバンドの逆張り手法はレンジ相場とトレンド相場で利用することで、取引精度を高められます。
トレンド発生時に2σバンドや3σバンドを使って逆張りをしてしまうと、損切りタイミングを逃してしまう可能性もあるので注意が必要です。
この記事では、ボリンジャーバンドの逆張り手法について以下の7つの項目で詳しく解説していきます。
- ボリンジャーバンドは逆張りでも順張りでも使える
- ボリンジャーバンドで逆張りをする際に覚えておくべき知識
- ボリンジャーバンドで逆張りができる2つの状況
- ボリンジャーバンドで逆張りをする2つのメリット
- ボリンジャーバンドを使った2つの逆張り手法
- ボリンジャーバンドを逆張りで使う際の3つの注意点
- まとめ
ボリンジャーバンドは逆張りでも順張りでも使える
ボリンジャーバンドは、逆張り・順張り問わず使えるインジケーターです。
≫ボリンジャーバンドとは?見方やテクニカル分析での使い方を解説!
ボリンジャーバンドには主に±1σ、±2σ、±3σの計6つのバンドが表示されており、バンド内に相場価格が収まる確率を利用した逆張り手法が多くの人に知られています。
またボリンジャーバンドは、ボラティリティの高まりだけでなく、センターバンドを使ってトレンドの方向が分かるトレンド系インジケーターでもあります。
したがってボリンジャーバンドを利用したトレンド方向への順張り取引でも利用できるのです。
ボリンジャーバンドを使った順張り手法については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ボリンジャーバンドの順張り手法を2つ紹介!順張りに向いている理由も解説
ボリンジャーバンドで逆張りをする際に覚えておくべき知識
ボリンジャーバンドの逆張りで利用するバンドは、主に±2σ、±3σの4つです。
ボリンジャーバンドのバンドは、価格のばらつきをあらわす統計学の指標「標準偏差」を基に計算されています。
そしてσの数値が大きなバンドほど、価格のばらつきが大きいことを表しています。
バンドが標準偏差を利用して計算されていることで、バンド内に相場価格が収まる確率について以下のように分かるのです。
バンド名 | 価格が収まる確率 |
±1σ | 約68.3% |
±2σ | 約95.4% |
±3σ | 約99.7% |
±1σバンド内に価格が収まる確率は、約68.3%とそれほど高いわけではありません。しかし±2σバンドでは約95.4%、±3σバンドだと約99.7%と非常に高い数値になっています。
±2σバンド・±3σバンドを超える、または下回って相場価格が推移する可能性が非常に低いことを利用して、ボリンジャーバンドで逆張りを行っていきます。
ボリンジャーバンドの計算式については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ボリンジャーバンドの計算方法を解説!標準偏差が表す意味も紹介!
ボリンジャーバンドで逆張りができる2つの状況
ボリンジャーバンドでは「レンジ相場」と「トレンド転換時」2つの状況で逆張りができます。それぞれの状況でなぜ逆張りが適しているのか詳しく解説していきます。
レンジ相場
レンジ相場は価格に方向性がなく、ボラティリティが低い状態です。
ボラティリティが低い状態は、バンドを上回る、または下回って価格が推移する可能性が低く、ボリンジャーバンドのバンド内に価格が収まる可能性が高いのです。
したがってバンドを利用した逆張りの取引が成功する確率が高まります。
またレンジ相場は、価格の上限・下限が分かりやすいので、逆張りの目安となる価格も分かりやすいのです。
レンジ相場におけるボリンジャーバンドの逆張り手法については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫レンジ相場におけるボリンジャーバンドを使った手法2選!レンジ相場の見分け方や注意点も解説
トレンド転換時
レンジ相場だけでなく、トレンド転換時もボリンジャーバンドを利用した逆張りのチャンスです。
相場では常にトレンドが発生して、一方向に推移し続けるわけではありません。いつかはトレンドが終了して逆方向に動き始める瞬間があるのです。
ボリンジャーバンドを利用すると、トレンド転換のサインも分かるのでトレンド転換時における逆張りにもボリンジャーバンドが適しています。
またトレンド転換時にエントリーができると、トレンドの初動からポジションを保有できるのでより大きな値幅を狙えるのです。
ボリンジャーバンドで逆張りをする2つのメリット
ボリンジャーバンドで逆張りをすることには以下の2つのメリットがあります。
- トレードチャンスが増える
- トレードの結果がいち早くわかる
その1:トレードチャンスが増える
ボリンジャーバンドは、順張りでも逆張りでも利用できるインジケーターなので、逆張りの手法を身に付けられるとトレードチャンスを増やせます。
またボリンジャーバンドにおける逆張り取引のサインは、順張り取引の利益確定にも利用できます。
ボリンジャーバンドで1つのトレードを完結することができる点が、ボリンジャーバンドで逆張りをする知識を付けることのメリットの1つでもあります。
その2:トレードの結果がいち早くわかる
トレード結果がいち早く分かる点も、ボリンジャーバンドで逆張りをするメリットの1つです。
順張りトレードだと、トレンド発生までに時間がかかるケースがあるので、エントリーできるまでも時間がかかることがあります。
またトレンドがいつまで伸び続けるか分からないので、利益確定にも時間がかかります。
一方トレンド転換はトレンド発生にかかる時間よりも短いので、逆張りトレードの結果は順張りトレードと比べていち早く分かるのです。
また損切り位置も直近高値・安値と分かりやすいので、逆張りトレードのリスクリワードはよくなる傾向にあります。
その分損切りになるのも一瞬なので、損切りを行えるトレーダーはボリンジャーバンドで逆張りをすると効率よく利益が狙えるでしょう。
ボリンジャーバンドを使った2つの逆張り手法
ボリンジャーバンドを使った逆張り手法を2つ紹介していきます。
- ±2σバンドを使った逆張りエントリー
- ボージを確認した逆張りエントリー
その1:±2σバンドを使った逆張りエントリー
ボリンジャーバンドの±2σバンドを使った逆張り取引は、最もオーソドックスな逆張り手法です。
2σバンドへ相場価格がタッチしたら売りエントリー、-2σバンドに相場価格がタッチしたら買いエントリーと、手法は非常にシンプルです。
逆張りで±2σバンドを使う逆張りは、トレンド相場・レンジ相場ともに利用できます。
しかしトレンド相場だとまれにバンドウォークが発生する可能性があるので、特にボラティリティが小さく、価格が反転しやすいレンジ相場で使うことがオススメです。
また3σバンドも2σバンドと同様に逆張りに利用できますが、2σバンドを使う場合と比べてエントリー回数が少なくなることは覚えておきましょう。
ポジションの決済は、ボリンジャーバンドのセンターバンドにタッチまたは反対の2σバンドへのタッチで行います。
その2:ボージを確認した逆張りエントリー
ボリンジャーバンドの形の1つである「ボージ」は、トレンド転換時の逆張り取引でよく利用されます。
ボージとは、ボリンジャーバンドのバンド幅が最も大きく開いている状態であり、トレンド転換時に発生するボリンジャーバンドの形です。
具体的には、ボージが発生した際に、相場価格が±2σ・±3σバンド付近にあると、トレンド転換する可能性が高いと考えて逆張りエントリーをします。
また相場価格がセンターバンド(移動平均線)と離れているほど、相場価格はセンターバンドまで返ってきやすくなるのでエントリー精度が高まります。
ポジションの決済は、ボリンジャーバンドのセンターバンドにタッチで行います。
ボリンジャーバンドのボージについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ボリンジャーバンドのボージとは?見極め方やトレードでの活用方法を解説!
ボリンジャーバンドを逆張りで使う際の3つの注意点
ボリンジャーバンドを逆張り取引で使う際は以下の3つに注意するようにしましょう。
- トレンドに巻き込まれる可能性がある
- バンドウォーク時は逆張りをしない
- だましが発生することがある
その1:トレンドに巻き込まれる可能性がある
ボリンジャーバンドを逆張りで使う際は、トレンドに巻き込まれてしまう可能性があることは覚えておきましょう。
例えばレンジ相場だと考えて逆張りを行ったとしても、急にトレンドが発生してしまうことがあるのです。
またトレンド転換時の逆張りにも注意が必要です。
トレンド転換時に逆張りをして一時的に価格が下落したとしても、それは単なる押し目にすぎず、トレンドが継続し続ける可能性もあります。
相場価格は2σ・3σバンドに収まる可能性は高いですが、必ずそうなるわけではないので、損切り位置を決めた上でエントリーを行うようにしましょう。
また過熱感が分かるオシレーター系インジケーターを組み合わせることもトレンド発生を避けるためにオススメです。
≫テクニカル分析で活用されるオシレーターとは?具体的な活用方法や注意点を解説!
その2:バンドウォーク時は逆張りをしない
バンドウォークとは、エクスパンションが発生後に、±2σバンド付近を沿うように相場価格が推移している状態です。
バンドウォーク時に±2σバンド付近に相場価格が位置しているからといって逆張りを行うことは避けるようにしましょう。
バンドウォークは強いトレンド発生のサインであり、トレンド発生中の逆張り取引の勝率は非常に低いです。
また逆張りポジションがバンドウォークのような強いトレンドに巻き込まれてしまうと、損切りタイミングを逃してしまう可能性が高いのです。
ボリンジャーバンドのバンドウォークについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ボリンジャーバンドのバンドウォークとは?判断方法やトレードでの活用方法を解説!
その3:だましが発生することがある
逆張りエントリー時にだましが発生する可能性があることにも注意しなければいけません。
相場価格は必ずしも2σ、3σバンドにタッチしてトレンド転換するわけではありません。
時には2σまたは3σのバンドを1度上回った(下回った)が髭で押されて、バンド内にもう一度価格が戻ってくることもあるのです。
特に突発的な相場変動や強いトレンド発生時には、バンドがきっちりと機能しないことがあるので、バンドは逆張りの目安として使ってみてください。
まとめ
ボリンジャーバンドを使った逆張り手法について、逆張りができる状況から、具体的な取引手法、注意点に至るまで詳しく解説してきました。
ボリンジャーバンドのバンドを利用した逆張り手法は、トレード初心者でもすぐに取引に取り入れやすい手法です。
しかし逆張りを行う前には、全体的な相場状況を把握したり、リスク管理を行ったりするようにしましょう。
またボリンジャーバンドだけでなく、他のインジケーターや分析方法も組み合わせることでより逆張り取引の精度を高められます。
逆張り手法は順張り手法と比べてリスクが伴うので、今回紹介した取引手法を利用する際は、ぜひ一度検証を行ってから使ってみるようにしましょう。