スリッページの仕組みとは?スリッページのオススメ設定も紹介!
「スリッページはなぜ発生するのか」
「スリッページのおすすめ設定は?」
スリッページと聞くと、上記のような疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
スリッページは、注文時価格と約定価格の価格差のことであり、場合によってはスリッページによってトレードが不利になってしまうことがあります。
したがって、許容できるスリッページの幅を設定しておくことで、スリッページによる意図しない価格での約定を防げます。
この記事ではスリッページについて、発生する原因や拡大しやすい時間帯、オススメ設定など、以下の6つの項目で詳しく解説していきます。
- スリッページとは一体?
- スリッページはなぜ発生するのか
- スリッページが特に拡大しやすい4つの状況
- 許容スリッページの設定方法
- スリッページへの対策方法4選
デイトレードやスキャルピングのような短期取引を得意としている方は、取引コストを抑えるためにスリッページを意識する必要があるため、是非参考にしてください。
スリッページとは一体?
スリッページとは、注文時の価格と実際に約定された価格の価格差を指します。
トレードでは、注文パネルに表示されている価格で必ずしも約定されるわけではなく、注文価格と約定価格にずれが生じることがあるのです。
例えば、取引パネルにて100.00円と表示されている状態で買い注文をし、実際は100.01円で約定された場合、0.01円のスリッページが発生したことになります。
このケースでは、スリッページによって不利なレートで約定されてしまったことがわかります。
一方でスリッページが、自身のトレードに有利に働くこともあります。
取引パネルにて100.00円と表示されている状態で買い注文をし、99.99円で約定された場合が、有利に働くケースとなります。
同様に0.01円のスリッページが発生したものの、有利なレートで約定されているのです。
スリッページはなぜ発生するのか
スリッページが発生するのは、オンラインを通して注文を処理することで発生する時間のラグが原因です。
トレーダーが注文を発注すると、その注文内容はインターネット上の回線を通じて、注文を受け付ける取引所のサーバーへ送信されます。
取引所のサーバーへ注文内容が届くと、順次処理され、処理が完了すると約定、保有ポジションとして反映されます。
このように取引所のサーバーへ注文内容を送信、取引所で内容が処理されている間、相場価格は常に変動しています。
したがって注文時と約定時の時間の差に起こった価格変動がスリッページとして発生するのです。
スリッページが特に拡大しやすい4つの状況
時にスリッページはトレーダーにとって不利に働く場合があります。したがってスリッページの拡大には気をつけなければいけません。
ここでは、スリッページが特に拡大しやすい状況として挙げられる、以下の4つについて詳しく解説します。
- トレーダー側のネット環境問題
- 取引所の注文処理速度
- スリッページが拡大しやすい時間帯がある
- 注文数量が多い
トレーダー側のネット環境問題
トレーダー側のネット環境に問題がある場合、スリッページ拡大しやすいです。
トレーダーが注文を発注する際、まずはトレーダー側のネット回線を通じて注文内容が、取引所へ送信されます。
したがってトレーダー側のネット環境に問題があると、注文が取引所にスムーズに送信されず、遅延が発生してしまうのでスリッページが拡大してしまうのです。
取引所の処理速度が遅い
トレーダー側だけでなく、取引所側のネット環境に問題がある場合もスリッページが拡大しやすくなってしまいます。
例えば、取引所の注文処理速度に問題がある場合、注文内容の処理に時間がかかってしまうため、処理にかかる時間の遅延がスリッページとして反映されます。
特にサーバーのスペックが整っていない場合、多くの注文が一度に届くと、想定以上の負荷がサーバーにかかり、より処理速度が遅れてしまうのです。
最悪の場合、サーバーがダウンし注文が反映されないこともあるため、取引所に多くの注文を処理できるためのネット環境が整っているのかには注意しなければいけません。
スリッページが拡大しやすい時間帯がある
スリッページには拡大しやすい時間帯が存在します。
1つ目は、経済指標発表時など相場価格の変動が激しい時間帯です。
短期間での相場価格の変動が激しい場合、注文内容を送信、処理される短時間でも価格が急変動してしまうため、スリッページが拡大してしまいます。
2つ目は取引参加者が少ない時間帯です。
トレードでは、トレーダーが行った注文に対して、逆の注文を行うトレーダーがいる、つまり取引相手がいることで始めて約定されます。
特に早朝など取引参加者が少ない時間帯は、取引相手が見つかりにくく、注文がなかなか約定されないため、スリッページが拡大してしまうのです。
注文数量が多い
一度のトレードの注文数量が多い場合、約定に時間がかかる可能性が高く、スリッページが拡大する可能性も高くなります。
先ほど述べた通り、トレードでは、トレーダーが注文を発注した際、逆の注文を行うトレーダーがいる必要があります。
したがって大量の注文を発注した際、同数量の逆取引を行うトレーダーを見つける必要があり、発注から約定まで遅延が発生してしまうのです。
特に流動性が低い通貨ペアを大量に取引する場合は、スリッページが拡大しやすくなってしまうため注意するようにしましょう。
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許容スリッページの設定方法
多くの取引所では「許容スリッページ」を設定できます。
許容スリッページでは、スリッページによって約定価格が注文価格とどこまでずれていいか、スリッページの許容値を設定でき、許容スリッページを超えた注文は約定されません。
許容スリッページの設定方法について詳しく解説していきます。
許容スリッページの設定事例
多くの取引所では、許容スリッページをpipsで設定可能です。取引所によって異なりますが、許容スリッページはデフォルトで数pipsから数十pipsに設定されます。
例えば売買パネルにて、売りのレートが100.01、買いのレートが100.03で提示されていたとします。
許容スリッページを「1pips」に設定して買い注文を行うと、100.02から100.04の価格帯でのみ注文が約定されます。
つまり約定時に相場価格が100.02以下、または100.04以上に変動した場合は、買い注文が約定されないのです。
そして売り注文を行う場合は、100.00から100.02の注文のみが約定されます。
売り注文も同様、約定時に相場価格が100.00以下、または100.02以上に変動した場合は、売り注文が約定されないのです。
また、許容スリッページを0pipsに設定した場合は、取引パネルで表示されている価格でしか約定されません。
許容スリッページのおすすめ設定
許容スリッページのおすすめ設定は、トレード手法や取引数量、利用している取引所によって異なります。トレード手法別のおすすめ許容スリッページ設定は以下の通りです。
トレード条件 | 許容スリッページ設定 |
---|---|
スキャルピングの場合 | 0pips~5pips |
デイトレードの場合 | 3pips~10pips |
スイングトレードの場合 | 3pips~10pips |
スキャルピングのような短期取引の場合、取引コストを抑えるためにスリッページをできるだけ小さくすることがオススメです。
しかし0pipsに設定する際は、約定がなかなかされないという状況になることもありえるため注意するようにしましょう。
またデイトレードやスイングトレードのような確定利益額が大きい場合は、数pips〜10pips程度に、余裕をもって設定することがオススメです。
また取引銘柄の特徴によってもおすすめスリッページ設定が異なります。
取引銘柄の特徴 | 許容スリッページ設定 |
---|---|
取引量が大きい | 0pips~5pips |
取引量が少ない | 5pips~10pips |
取引量が大きい銘柄は、短期間での値動きが安定しているため、許容スリッページを低く設定しておくとよいでしょう。
しかし、取引量が少ない銘柄は短期間の値動きが激しいため、許容スリッページを低く設定してしまうと約定がなかなかされません。
したがって許容スリッページにある程度余裕を持たせて設定しておくとよいでしょう。
また銘柄ごとに設定できる場合は、銘柄別で設定しておくことで、より効率よくトレードができます。
上記のオススメ設定でトレードを実際に行い、使いにくかった場合は、少なくしたり、大きくしたり調整してみるといいでしょう。
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スリッページへの対策方法4選
スリッページによって、不利な価格で約定されてしまうことは、利益を圧迫する原因となります。
ここではスリッページへの対策方法として以下の4つを紹介します。
- スリッページが拡大しやすい状況でトレードをしない
- 取引所選びを意識する
- 分割して注文をする
- スリッページ設定をこまめに調整する
スリッページが拡大しやすい状況でトレードをしない
スリッページが拡大しやすい状況でのトレードは避けるようにしましょう。
トレーダー側や取引所側のネット環境問題や時間帯などが原因となってスリッページが拡大しやすくなってしまう状況が存在します。
スリッページが拡大しやすい状況では、なるべくトレードをすることを避けるか、取引数量を少なくして、リスクを抑えるようにしましょう。
取引所選びを意識する
取引所側のサーバー問題がスリッページが拡大しやすい原因の1つであるため、取引所選びの基準としてネット環境が強いかどうかを意識するようにしましょう。
約定力の高さを売りにしている取引所は取引環境が整っており、スリッページが拡大しにくいです。
またカバー先の金融機関が多いかどうかも、優秀な取引所であるか見極める方法の1つです。
カバー先の金融機関とは、取引所とインターバンクを仲介する金融機関です。
カバー先の金融機関が多い取引所では、様々な場所で注文が分散されて処理されるため、注文が約定されやすいのです。
分割して注文をする
大量の注文を一度に行ってしまうと、取引所での注文処理に時間がかかることがあるため、分割をして少量ずつ注文を行うこともスリッページ対策となります。
特に取引量の少ないマイナーな銘柄をトレードする際は、分割注文を活用するようにしましょう。
成行注文で分割注文をする際の価格の変動が気になる場合は、スリッページが発生しにくい指値注文、逆指値注文を利用することもオススメです。
スリッページ設定をこまめに調整する
許容スリッページ設定は、紹介したおすすめ設定を利用し続けるのもいいですが、自身のトレードスタイルに合わせて調整するようにしましょう。
スリッページ設定が適正でないと、意図する注文が約定されず、損切がうまくできないことで損失が拡大してしまったり、トレードチャンスを逃してしまったりしてしまいます。
実際にトレードを行って問題が合った場合は、こまめに設定をすることで、よりトレードの効率を高められます。
特にスキャルピングのような超短期取引では、トレードコストと約定力が重要となるため、スリッページ設定を意識して調整してみてください。
まとめ
スリッページについて、仕組みや発生する原因、おすすめのスリッページ設定方法、そしてスリッページへの対策方法に至るまで詳しく解説しました。
スリッページは、不利に働いてしまうと利益を減らしてしまう原因となるため、取引スタイルに合わせて許容スリッページの設定を行うことが大切です。
特に1日で何度も取引を行う場合、スリッページは取引コストと積み重なるため特に意識しなければいけません。
スリッページが拡大しやすい時間は避け、トレードのリスクを抑えることでより期待値の高いトレードを続けられるようになります。
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